「ペットと一緒に旅行してみたい。でも車がない、運転もできない。新幹線なら一緒に行けるって聞いたことがあるけれど、本当に乗れるの?」
そんな疑問を持つ飼い主さんもいるのではないでしょうか。
新幹線に犬や猫と一緒に乗るには、JRが定めるサイズや重さなどの条件を満たす必要があります。
さらに、料金や駅での手続きなど、出発前に確認しておきたいルールもいくつか。知らずに駅へ向かうと、当日になって困ってしまうかもしれません。
この記事では、犬や猫と新幹線で出かける前に知っておきたいルールや注意点を、JR各社の公式情報をもとに分かりやすく整理しました。
犬や猫は新幹線に乗れる?まずは基本ルールを確認
犬や猫は、JRが定める条件を満たせば、新幹線に一緒に乗ることができます。ただし、人と同じように乗車券を買って座席に乗るわけではありません。
JRでは、一定の条件を満たした犬や猫などの小動物を「有料手回り品」として扱っています。
基本となる条件は、専用ケースの3辺の合計が120cm以内で、ケースと中に入る犬や猫を合わせた重さが10kg以内であること。料金は1個につき290円です。

「3辺合計120cmって、実際にはどのくらい?」「10kgはどこで量るの?」「2匹一緒に連れて行く場合は?」と疑問に思うところもありますよね。
ここからは、こうしたルールを一つずつ具体的に見ていきます。
キャリーケースの「3辺合計120cm以内」ってどのくらい?
「3辺の合計が120cm以内」と聞いても、実際にどのくらいの大きさなのか、少しイメージしにくいかもしれません。
ここでいう3辺とは、キャリーケースのタテ・ヨコ・高さのこと。この3つを足した数字が120cm以内に収まっている必要があります。
たとえば、
幅50cm × 奥行き40cm × 高さ30cmのケースなら、
50+40+30=120cmとなり、サイズの条件内です。
ただし、大切なのは「120cm以内なら何でもよい」ということではありません。JR東海では動物専用のケースに全身を入れ、顔を出さないことを案内しており、ドッグスリングは全身が入っていても利用できません。ペットカートも、カートを含めた寸法が制限を超える場合は利用できないとされています。
キャリーを購入するときは「新幹線対応」といった商品表示だけで判断せず、実際の外寸を自分で確認しておくと安心です。
「10kg以内」は犬や猫とキャリーケースを合わせた重さ
新幹線に一緒に乗るためには、キャリーケースの大きさだけでなく、重さにも条件があります。
JRのルールでは、キャリーケースと中にいる犬や猫を合わせた重さが10kg以内であることが条件です。
たとえば、犬の体重が8kg、キャリーケースが1.5kgなら合計9.5kgなので条件内。一方、犬が9kgでケースが2kgなら合計11kgとなり、条件を超えてしまいます。
特に体重が10kgに近い犬の場合は、ペットの体重だけで判断せず、実際に使用するキャリーケースを含めた重さを事前に確認しておくことが大切です。
駅でキャリーケースの重さやサイズは確認される?
犬や猫と新幹線に乗るときは、乗車駅の改札口などでキャリーケースを駅係員に見せ、「普通手回り品きっぷ」を購入します。
JR東海の公式案内では、キャリーケースとペットを合わせて10kg以内、3辺の合計が120cm以内という条件が定められています。
ただし、公式案内には「すべてのケースをその場で計量・計測する」とまでは記載されていません。そのため、駅での確認を前提にするのではなく、自宅であらかじめサイズと重さを確認しておくのが確実です。
犬や猫と新幹線に乗る料金は1個290円
犬や猫と新幹線に乗る場合は、キャリーケース1個につき290円の「普通手回り品料金」がかかります。
ペットのために通常の乗車券や新幹線特急券を購入する必要はありません。飼い主の乗車券・新幹線特急券とは別に、キャリーケースについて290円を支払う仕組みです。
普通手回り品きっぷは、乗車前に駅の改札口などでキャリーケースを係員に見せて購入します。 新幹線に乗る直前に慌てないよう、少し時間に余裕を持って駅へ向かうと安心です。
新幹線の車内ではキャリーケースから出せない
新幹線に乗ったあとも、犬や猫をキャリーケースから出すことはできません。
JRのルールでは、駅構内や車内でペットをケースから出すことはできません。顔だけを出したり、抱っこした状態で乗車したりすることもできないため、犬や猫の全身をケースに入れておく必要があります。
長時間の移動になる場合は、乗車中にケースから出さなくても過ごせるよう、乗車前にトイレを済ませておくほか、移動中の水分補給についてもあらかじめ考えておくことが大切です。
キャリーケースは車内のどこに置く?
新幹線に乗ったら、「キャリーケースはどこに置けばいいの?」と迷うかもしれません。
新幹線の車内では、キャリーケースを周囲の乗客や通路の邪魔にならず、自分で安全に管理できる場所に置きましょう。
座席周辺のスペースには限りがあるため、使用するキャリーケースの大きさも考えて座席を選ぶと安心です。
犬や猫と新幹線に乗る前に準備しておきたいこと
新幹線のルールを満たしていても、犬や猫にとって長時間の移動は普段とは違う環境です。
ペット自身の負担をできるだけ減らし、周囲の乗客にも配慮できるよう、乗車前にいくつか準備しておきましょう。
キャリーケースに慣らしておく
普段ほとんど使わないキャリーケースに、旅行当日いきなり長時間入るのは、犬や猫にとって負担になることがあります。
新幹線で出かける予定が決まったら、事前にキャリーケースを生活スペースに置いたり、短い時間から中で過ごしたりして、少しずつ慣れる機会をつくっておきましょう。
ただし、慣れ方には個体差があります。強く嫌がったり、不安そうな様子が続いたりする場合は、無理に練習を重ねないことも大切です。
乗車前にトイレを済ませておく
新幹線の車内では犬や猫をキャリーケースから出せないため、できるだけ乗車前にトイレを済ませておくと安心です。
とはいえ、慣れない場所では排泄できなかったり、長時間の移動中に我慢できなくなったりすることもあります。キャリーケースの中にペットシーツを敷くほか、必要に応じてマナーベルトやペット用おむつを利用することも選択肢のひとつです。
万が一排泄してしまった場合に備えて、予備のペットシーツや処理用の袋、ウェットシートなども用意しておくと安心。キャリーケースの汚れやにおいが周囲に広がらないように備えておくことも、公共交通機関を利用するときの大切な配慮です。
長時間の移動では、乗車時間だけでなく、自宅から駅まで、駅から目的地までの時間も含めて準備を考えておきましょう。
移動中の水分補給も考えておく
長時間の移動では、犬や猫の水分補給についても事前に考えておきましょう。
新幹線の車内ではキャリーケースから出せないため、普段のように器を置いて水を飲ませるのが難しい場合があります。必要に応じて、キャリーケースに取り付けられる給水器など、ケースの中にいる状態でも水分をとれる方法を準備しておくと安心です。
ただし、普段使ったことのない給水器を旅行当日に初めて使っても、うまく飲めないことがあります。事前に使えるか確認し、その子に合った方法を考えておきましょう。
鳴き声など周囲への配慮も考えておく
新幹線には多くの人が乗っているため、犬の吠え声や猫の鳴き声など、周囲の乗客への配慮も必要です。
普段は静かな犬や猫でも、慣れない駅の音や人の多さ、長時間の移動による不安から、いつもと違う反応をすることがあります。
普段使っているタオルなど、その子が落ち着きやすいものをケースに入れておく方法もあります。ただし、ケース内が狭くなったり、暑くなったりしないよう注意が必要です。
鳴き続けるなど、犬や猫の負担が大きいと考えられる場合は、無理に新幹線を利用しないという判断も大切です。
当日の体調を確認する
出発前には、犬や猫の体調も確認しておきましょう。
食欲や元気がない、下痢や嘔吐があるなど、普段と違う様子が見られる場合は、無理に新幹線で移動しないことも大切です。
また、長時間の移動や慣れない環境が大きな負担になりそうな場合は、旅行そのものを見直したり、必要に応じて事前に獣医師へ相談したりすることも検討しましょう。
「新幹線に乗れる条件を満たしていること」と「その子が無理なく移動できること」は別の問題です。 ルールだけでなく、犬や猫の様子を見ながら判断することが大切です。
混雑時などは持ち込みを断られる場合もある
サイズや重さなどの条件を満たしていれば、いつでも必ず犬や猫と乗車できるとは限りません。
JRでは、ほかの乗客に危害を及ぼしたり、迷惑をかけたりするおそれがある場合や、列車が非常に混雑している場合などには、持ち込みを断ることがあるとしています。
特にゴールデンウィークやお盆、年末年始などは、新幹線や駅が混雑しやすくなります。可能であれば混雑する時間帯を避けるなど、犬や猫にとっても周囲の乗客にとっても負担の少ない移動を考えておくとよいでしょう。
犬や猫と新幹線に乗る当日の流れ
当日は少し時間に余裕を持って駅へ向かいましょう。犬や猫と新幹線に乗るまでの流れを簡単に整理すると、次のようになります。

① 犬や猫を条件に合ったキャリーケースに入れて駅へ行く
犬や猫の全身を動物専用のケースに入れた状態で駅へ向かいます。
② 改札口などで駅係員にキャリーケースを見せる
犬や猫と一緒に乗ることを伝え、キャリーケースを駅係員に見せます。
③ 普通手回り品きっぷを購入する
キャリーケース1個につき290円を支払い、「普通手回り品きっぷ」を購入します。
④ 新幹線に乗車する
駅構内や車内では犬や猫をケースから出さず、周囲の乗客や通行の邪魔にならないように移動します。
初めて犬や猫と新幹線に乗る場合は、駅での手続きに時間がかかることもあるため、普段より余裕を持って駅へ向かうと安心です。
犬や猫と新幹線に乗るときのよくある疑問
ここからは、犬や猫と新幹線に乗るときに気になる疑問を、いくつか確認していきます。
犬や猫を2匹以上連れて新幹線に乗れる?
2匹以上の犬や猫と一緒に新幹線を利用したい場合は、事前に利用するJRへ確認しておくことをおすすめします。
JRの公式ルールでは、犬や猫などの小動物を入れた専用ケースについて、サイズや重さ、料金などの条件は示されています。一方、今回確認した公式情報では、「1つのケースに2匹入れてよいのか」「1人でペット用のケースを複数持ち込めるのか」について、一般向けに明確な案内を確認できませんでした。
そのため、「2匹でも同じ条件で必ず乗れる」と自己判断せず、利用するJRや駅に事前に問い合わせておくと安心です。
ペットカートでも新幹線に乗れる?
ペットカートを利用している場合は、サイズに注意が必要です。
JR東海では、ペットを入れるケースとカートを分離できないタイプは、カートを含めた状態でサイズの条件を満たす必要があります。
一方、ケースとカートを分離できるタイプは、分離したケースがペットを入れる専用ケースとして条件を満たしていれば利用できます。カート部分は、一般の手回り品として持ち込めるサイズなどの条件を満たす必要があります。
普段使っているペットカートがそのまま利用できるとは限らないため、ケースを取り外せるか、ケースとカートそれぞれが条件を満たしているかを事前に確認しておきましょう。
大型犬も新幹線に乗れる?
JRのルールでは、犬種や「大型犬・小型犬」といった分類ではなく、キャリーケースのサイズと、ケースを含めた重さによって持ち込みの条件が決まります。
そのため、大型犬だから一律に新幹線に乗れないというルールではありません。ただし、動物専用ケースの3辺の合計が120cm以内で、犬とケースを合わせて10kg以内という条件を満たす必要があります。
ただし、大型犬の多くは犬自身の体重だけで10kgを超えるため、実際にはこの条件を満たして新幹線に乗ることは難しいでしょう。
指定席やグリーン車にも犬や猫と乗れる?
犬や猫と一緒の場合でも、飼い主は指定席やグリーン車を利用できます。
犬や猫は、条件を満たしたキャリーケースに入れ、「有料手回り品」として車内に持ち込みます。 ペットのための専用座席が用意されているわけではありません。
身体障害者補助犬も同じルール?
身体障害者補助犬は、これまで説明してきたペットの犬や猫とは扱いが異なります。
法令で定められた条件を満たす盲導犬・介助犬・聴導犬は、使用者本人が同伴する場合、キャリーケースに入れる必要はなく、補助犬について手回り品料金もかかりません。
そのため、「3辺の合計120cm以内」「ケースと合わせて10kg以内」「290円」といったペットの手回り品の条件は適用されません。
まとめ|条件を確認して犬や猫との新幹線旅行を準備しよう
犬や猫と新幹線に乗るときに押さえておきたい基本条件は、動物専用のキャリーケースの3辺合計が120cm以内で、ケースとペットを合わせて10kg以内であることです。
乗車前には駅の改札口などでキャリーケースを見せ、1個につき290円の普通手回り品きっぷを購入します。
また、新幹線に乗れる条件を満たすことだけでなく、長時間キャリーケースの中で過ごす犬や猫への配慮も欠かせません。事前にケースに慣らしておくほか、トイレや水分補給、鳴き声やにおいへの備えなども考えておきましょう。
初めて一緒に新幹線で出かけるときは、当日の体調や混雑状況も確認し、時間に余裕を持って行動することが大切です。
ルールと準備を事前に確認して、犬や猫にも飼い主にも無理のない移動を計画しましょう。
参考・出典
情報確認日:2026年9月10日


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